犬ブルセラ病は、犬ブルセラ菌(Brucella canis)が原因で起こる疾患で、流産と不妊を主徴とします。ほとんど症状がないまま犬舎内に蔓延し、繁殖障害をひき起こすため、繁殖場で発生すると大きなダメージを引き起こします。
1. 感染、流行の実態把握が困難
流産以外で、犬ブルセラ病の感染に気付くことは困難です。
雄犬が犬ブルセラ菌に感染した場合、精巣腫大、萎縮、そして、無精子症になるまでに数年かかると考えられています。
犬ブルセラ病は、ほとんど一般症状を示しませんが、妊娠犬では前兆のないまま妊娠後半(55日前後)に突然流産します。流産犬は至って元気で、多数の犬ブルセラ菌を含んだオリモノを排出し、これを舐めてしまうことで感染が広がります。また、交尾も感染経路として重要です。
2. 犬の被害、人の被害
犬から犬への感染力は強く、気付かない内に犬舎内に蔓延してしまうため、被害は大きくなります。人にも感染しますが、微熱程度で自覚症状に乏しく、知らないうちに抗体価が上昇している場合もあります。
3. 診療、治療
犬ブルセラ病は流産以外にほとんど臨床症状を示さないため、感染が疑われる場合には検査が必要になります。
治療として抗生剤の2剤または3剤併用が一般的ですが、細胞内寄生性であるため治療(完治)は困難です。
4. 予防
犬ブルセラ病は治療が難しいため、犬舎内に菌を持ち込まないことが重要です。新規に犬を導入する場合や、外部の犬と交配する場合には、その犬が犬ブルセラ病に感染していないことを確認します。
犬ブルセラ病について詳しくは、Bio Artまでお問い合わせください。
TEL:03-5256-4111
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